筆記具の大手メーカーであるパイロットが、アパレル事業に参入した。この新事業は、(株)パイロットコーポレーションが2023年に設立した「未来創造室」の一環として始動。その中で新規プロジェクトの実行を担う未来想像実験室「PILABOT(ピラボット)」が、身近なプロダクトとしての“衣服”に着目したことがきっかけとなった。
アパレルブランド「ユダンギ」の立ち上げに向けて素材を探す中で、JFWテキスタイル事業が主催する「2025AW Premium Textile Japan」および「JFW JAPAN CREATION2025」を訪問。その際、“ザ・ウールマーク・カンパニー”のブースに出会い、さらに“中隆毛織(株)”のブースとの出会いを経て、「求めていた機能をすべて備えていたのがウールだった」との理由から、ウール素材の採用が決定した。
その後、プロジェクトは順調に進み、2025年2月3日(月)のWEBサイトでの販売開始に先駆け、2025年1月21日(火)~27日(月)の期間、東京・銀座にある“Gallery WABI”にてポップアップショップを出店。このショップでは、使用素材であるウールに焦点を当て、ウールの特性や魅力を紹介。さらに、原料である原毛から糸までを実物展示し、商品のこだわりと強いメッセージを発信した。
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同業異種でのコラボレーションが一般化しつつある中、完全な異業種とのコラボレーションはまだ多くの事例が見られないのが現状である。国内の繊維業界が需要低迷に直面する中、海外への販路開拓を模索する企業も多い。しかし、国内での異業種コラボレーションを通じて日本製素材の認知度を向上させることができれば、需要拡大につながる可能性は高い。
日本のモノづくりを持続可能なものとするためにも、新たな可能性を探り、積極的に需要を開拓していく姿勢が求められる時代となったといえる。
【PILABOT(ピラボット) YUDANGI(ユダンギ)WEBサイト】https://www.pilabot.jp/project/yudangi