今年で8年目を迎えた「2024中国向けテキスタイル輸出商談会in一宮」が、尾州産地バイヤー招聘実行委員会とジェトロ名古屋の主催で開催されました。今年度は尾州産地企業と招聘バイヤーの増加に伴い、商談会は3つのセッションを2日間に分けて実施。セッションごとに参加企業が交代する形式で行われました。
招聘バイヤーの中には、過去に参加した経験のある継続参加者もおり、すでに尾州産地企業との取引を開始している企業も見られました。特に、海外バイヤーにとって一つの産地で多数の企業の素材を一度に見られるのは、効率的で非常に好評です。中国アパレル業界は比較的生産サイクルが早いと言われており、こうした利便性は大きなメリットとなっています。また、今回の商談会でお気に入りの尾州企業を見つけたバイヤーも多く、各社とも中国国内の他のアパレルブランドとの差別化や、欧米で高く評価される素材の優位性を感じている様子でした。
尾州産地は、単一的な欧米や中国国内の素材と比べ、豊富なバリエーションが魅力です。ウールとの混紡や交織による独自の風合いや機能も、バイヤーに強い印象を与えました。最近の海外ファッション業界では「天然繊維の優位性」が注目されており、中国国内でも同様の動きが見られます。そのため、次回以降には他の天然素材産地とのコラボレーションを希望する声も上がっています。
一方で、尾州企業にとっては、産地内で海外バイヤーとの商談ができる利便性が大きなメリットですが、参加ブランドの増加によりバイヤーがブース内で重なることもあり、今後の商談会運営に向けて活発な意見交換も行われました。
本商談会の特徴の一つとして「交流会」があり、今年は2日間の開催に合わせ、初日の夜に約30名が参加する盛大な会が開かれました。招聘バイヤーやエージェント、尾州企業が集まり、初日の商談会の延長として話し合いや、2日目に向けた事前ミーティングが行われ、非常に活気ある会となりました。
今回の商談会では、ただ闇雲にバイヤーを招聘するのではなく、事前に天然素材やウールに高い関心を持つブランドにアプローチしたことで、効率的なマッチングが実現しました。しかし、効率だけでは素材の買い付けには繋がりません。実際に素材を見て、触れ、直接対話を行うことで、初めて取引のスタートラインに立つことができます。事前のヒアリングを通じて粗選びができていたこともあり、展示会とは異なる、より有意義な商談会になったのではないでしょうか。
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商談会風景 | 商談会風景 |
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商談会風景 | 商談会風景 |
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交流会風景 | 交流会風景 |
【開催概要】
開催日時 | 2024年8月5日(月)~ 6日(火) |
開催場所 |
公益財団法人 尾州ファッションデザインセンター 1階 展示ホール (愛知県一宮市大和町馬引南正亀4−1) |
主催 |
尾州産地バイヤー招聘実行委員会
構成団体:◇日本毛織物等工業組合連合会 |
共催 |
日本貿易振興機構名古屋貿易情報センター (ジェトロ名古屋) |
来日ブランド |
参加6ブランド(順不同)
*FRAME FAN(レディス) |
対象シーズン | 2025AW |
参加企業 |
20社(順不同)
西川毛織株式会社/株式会社ソトージェイテック/ |
商談方法 |
*パーテーションで仕切ったブースを用意し、各ブランドバイヤー が全企業ブースを回り商談を実施 *ブースには、ハンガーラック(3 本)、商談用机・椅子を配置 *参加企業を3セッションに分けて実施(商談時間 各150 分) *各ブランドには、実行委員会で手配した通訳を同行 |