今、素材展示会場としてホットな場所になりつつあるWITH HARAJUKU HALLにて4月20日(木)~21日(金)で開催された「2024 Spring / Summer Bishu Material Exhibition(BME)」。マスク着用が個人判断にはなったものの感染症の分類はこの時点で、第二類の状況での開催であり衛生管理を従来通り行いながらの開催であった。しかし、開催会場となった原宿はもちろんのこと、都心では“アフターコロナ”の雰囲気で溢れ、多くの人々がコロナ前と同じくらい街を闊歩する状況で、展示会場にも多くのバイヤーが来場したようだ。リアル展及びオンライン展を含めた来場者は635 名、延べ663 社から3,751 点のリクエストがあったようだ。AW商材の言イメージがまだまだ強い尾州産地ではあるが、ウールとの交織や交撚、ウール以外での原料を尾州風味で仕上げた素材、ストレッチ、表情感、意匠力を活かし、ウールの重厚感を軽減しSSらしい軽さや色彩を取り入れた珠玉の逸品が会場に揃っていた。
そして今シーズンの概観は“ELSEWHERE~どこか他の場所~”として「新しい土地、人々、現実・・・との出会いを求めて行動を起こします。移動の制限を強いられた消極的期間から解き放たれて再び動き出す時が来ました。 ここではないどこか他の場所へ。制限される事もなく、彷徨し、偶然の出会いや体験を重ねられるどこか他の場所へ。」と発信している。この概観を軸にシーズンテーマは「HUMBLE~謙虚~」、「PASSION~情熱~」、「DYNAMIC~原動力~」の3つで展開。概観、テーマともにまさにコロナ禍から明けた今の日本の産業に向けたメッセージだと感じる。
ウールを含めた天然素材の原料不足が一部のアパレル等で囁かれているが、アパレルサイドが計画性を持って生産の提案さえしてくれれば、糸の供給は問題なく行われるという話も会場で聞き、ホッとした。この話からもSPA的なモノづくりの行く末が見えた気さえした。嘗てのようにテキスタイルメーカーとアパレルメーカーのコミュニケーションの延長上にある新しい素材開発や需要と共有のバランスを大切にし、またそれを一般消費者とも共有していく原点回帰は、現在の世界情勢や経済動向が起因して再考させていくのだと思う。そのコアにあるのは“和”を尊び、日本ならではのきめ細かな配慮と貫く信念、惜しまぬ努力、それらは全て“日本のモノづくり”を下支えしてきたマインドであり、失ってはいけないものであろう。目先のことのみに目を向けるのではなく、1つそのまた1つ先を見、日本の産業を支える素材産地尾州であって欲しいと思う展示会だった。
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トレンド素材展示を 囲む出展者ブース |
トレンドテーマ 「DYNAMIC~原動力~」 |
トレンドテーマ 「DYNAMIC~原動力~」 |
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トレンドテーマ 「HUMBLE~謙虚~」 |
トレンドテーマ 「HUMBLE~謙虚~」 |
トレンドテーマ 「PASSION~情熱~」 |
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トレンドテーマ 「PASSION~情熱~」 |
出展者ブース | 出展者ブース |
【開催概要】
開催日程 | 2023年4月20日(木)~21日(金) |
開催時間 |
20日(木) 9:30~18:00 21日(金) 9:30~17:00 (最終入場は終了時間30分前まで) |
開催場所 |
WITH HARAJUKU HALL 東京都渋谷区神宮前1-14-30 |
主催 | 公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター |
入場 | 無料 |
出展社 |
岩田健毛織(株)/ 長大(株) / 時田毛織(株) / 日本エース(株) / 林実業(株) / (株)ヒラノ / ファインテキスタイル(株) / 三星毛糸(株) / みづほ興業(株) / 宮田毛織工業(株) / 森織物(資) |
同時開催 |
2024 Spring&Summer BishuMaterial Exhibition (bishu-japan.com) |
お問合せ先 |
公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター 愛知県一宮市大和町馬引字南正亀4-1 TEL:0586-46-1361 FAX:0586-44-7455 |