<ウールのリサイクル概念>
元来、羊毛は毎年、競りにより価格が決定する変動価格制の原料であり、昔から高級素材として扱われてきた“ウール” はもちろんリサイクルされるべき素材になります。そして、製品になった状態でも嘗ては「かけはぎ」のように傷や穴を補修して着用してきた素材です。製品をほぐして原料となる羊毛を100%取り出し、織・編直すリサイクルもあれば、羊毛を70%、その他原料30%で紡績された糸で織り直す、俗にいう「毛七(ケシチ)」と言われる素材も昔から存在するリサイクルウールになります。これは古来よりモノを大切にする日本人の文化により生まれたリサイクル手法とも言えます。また昨今では「毛二(ケニー)」や「毛六(ケロク)」等、混率を変えた素材も注目を集めています。
一方で、残反や残糸をさらにほぐし綿の状態にし直したり、紡績の際に出るクズ綿や製織の際に発生する通称「落ち綿」を紡績し直す等、原料を製造するリサイクルも行なわれています。総じて、不要になった繊維(製品、生地、糸)等を専用反毛機械で、綿の状態に戻すことを“反毛(ハンモウ)”と言いますが、昨今の一般的名称である「再生ウール」は、同じことを意味しています。
<2通りのウールのリサイクル>
<製織の際に発生する通称「落ち綿」は、どのように出来るのか︖>
緯糸の原糸
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経糸・緯糸を交差させながら生地が織られていきます。
革新織機では織りの際に“耳” を裁ちながら織っていきます。
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裁たれた耳だけを仕分けし、集めていきます。
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この耳を集めて再度、紡績しなおして
リサイクル糸として活用されています。
this blog written by T.Kanemaki
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