理事長 挨拶

日本毛織物等工業組合連合会

理事長 加納 一

riji

“製造と販売の両面からサポート”

 昨年は新型コロナ禍が落ち着き、人とモノの動きが戻ってきました。
尾州産地は、紳士物は増産が続いていましたが下半期は伸び率が鈍化傾向となり、婦人物は特に紡毛の受注減が響いて減産となっている状況です。

 昨年は特に生産が難しくなったという印象です。従事者の高齢化と機械の老朽化によって廃業する織工場が増えて、受注をこなせるだけのキャパシティーの確保が困難な状況になってきました。

 これからはモノを作れる会社とそうでない会社との差が出るかもしれません。海外生産が進み、生産基地としての尾州の役割が薄れていくことを危惧しています。分業で成り立っている尾州産地のサプライチェーンの維持が最優先課題です。一方で新たな販路開拓や輸出に力を入れることが生き残る術の一つと言えるでしょう。

 毛工連としては製織事業者の実態を把握する調査を予定しています。一方で海外のバイヤーを招聘して商談会を開催するなど販路開拓に意欲のある企業をサポートしていきます。また一般消費者に産地を知ってもらうイベントとして昨年に引き続き、産地活性化イベント「ビシュウ・フェス」も今年の秋ごろの開催を予定しています。これらのイベントを通じて多くの人に尾州を知ってもらう良い機会になればと期待しています。

 本年も組合員および関係団体・企業の皆さまに一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆さま方のご発展をお祈りいたしまして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。