<Kのつぶやき>“前を向く”2021-22AW Bishu Material Exhibition

 新型コロナウィルス感染症への感染拡大対策から開催が中止になってしまった2021SS Bishu Material Exhibition。“尾州産地にとってはメインとなるAWシーズンの展示会開催を見送る訳にはいかない。”そんな思いで開催を決定した2021-22AWが、万全な感染対策のもと、無事に幕を開けた。完全なオープンエアのエントランスで受付を行い、入場の際に全員への検温、商談のためのテーブル&椅子も場内には設置せず、オープンエアに特設の商談場所を用意し、印刷物等も希望する来場者が自分でピックアップする・・・そんな対応からも可能性を感じるリスクを徹底的に回避する方法で展示会は行われていた。

 場内に入ると出展者も来場者も、久しぶりの対面での会話を楽しみ、このコロナ禍での状況の情報交換する場面を多々、目にしたがどちらもマスクをした状態での会話であるために声のボリュームはかなり抑えられ、静寂の中での各々の好奇心が交差しているように見えた。主催者は「今回は、やること自体に意味を持たせている」と語った通り、ある程度の規模の展示会が延期や中止、リモートになっている中でのリアルな展示会は新鮮さすら感じる。“人と対面で会話をするとはこういうこと”そんな気分にもなる。ビジネスの用件を伝えるのみではなく、会話の中での行間を読み、語り手の真意を読み解くことや新たな発見を与えてくれる・・・これが人としてのコミュニケーションだと再考する。そして、開催までの苦労も今までとは違い、「感染対策」という正解がなかなか見えない対応に立ち向かうためには、シンプルではあるが“開催する!”という強い意志があってこその賜物なのだと思う。場内でまず目を奪われるディレクション展示にも、コロナ禍での孤立した日常へ癒しを与えるために異なるフィルターを通して物事を語り、伝える“新しい方法”を素材を通して提案するという意図を感じることが出来た。

 実際の各社ブースも時間にばらつきはあるものの、見本ハンガーを手に取りながらピックアップシートにメモをする光景は今までと何も変わらないが、今後の展開(開催方法)を考える時期にも差し掛かっているのかもしれない。 “アパレル製品とは違いテキスタイルは手にとって、数値や見た目だけでは伝えることができないその価値を知り、使用用途を連想せねばならず、Eコマースでの展開はアパレル製品以上に商材の特徴を伝える方法に困難さ”を感じる。ただこれも既成概念の中で考えてしまうからそのように感じるのかもしれない。アパレルメーカーの中には、「展示会への訪問を禁じる」企業もあると聞いた(密を避ける? 新しい素材を買付できない?理由まではわからない)が、モノ作りを考える上では実際に手にとって検討することはこの業界にとっては必須なのでは?と感じる。きっと、前述のアパレル企業は既存の取引があるテキスタイルメーカーと直で買付をしていると願いたい。

 ともあれ、いつまでも自粛だけしている訳にはいかない。“前を向く”ために、既成概念の外で、これからのビジネスを考えていくことが求められているのだろうと感じた。

 

this blog written by T.Kanemaki