<Kのつぶやき>グローバリズムとポピュリズムの狭間で。

 

 新型コロナウィルス感染防止策で実施されていた緊急事態宣言も解除され、2週間以上が経過し、徐々に新たな感染確認者が増えている状況が続いている。これは、積極的な検査による結果としてポジティブに捉えている反面で、第二波に繋がるのか否かという新たな不安にも繋がっている。日本国内でも“新様式”と言われる、日常生活やビジネス対応が求められる時代に突入したことには変わりはない。いわゆる、“Withコロナ”時代の生き方というやつだ。

 外出自粛期間に、テレワークの推進で促進した対面ではない業務の進め方と対策。その中で見えてきたのは、「リアルとヴァーチャルの使い分け」なのだと私は思う。WEBを活用した会議ではヴァーチャルだからこそ、意識すべきコミュニケーション方法があり、これはメール等でもあると思う。それは、目の前にいないからこそ、相手が理解できるか否かを俯瞰で考えること。チームで仕事をするということは、はなからこれがないと本来は上手く回ってはいかない。これがないと自分の言いたいことだけを言う発表会で会議とは言わない。同時に、それでも会うべき人と会わずに済む人の選別、必要なものと不要なもの、得るものと捨てるもの・・・いろんなことに気づかされる外出自粛期間だったと思う。これは、誰かから言われた訳でもなく、個々人が感じるままの選別になっている。 

 もっと大きな視野で見ると、海外販路促進を掲げてきた繊維・ファッション産業も、新たな戦略を立てる必要があると考えている。それは、“国境を意識したグローバル化”だ。この新型コロナ感染症へのリスクから、様々な国と「人・モノ」行き来が制限された。国境が海である我が国ではあまり国境を意識する場面も多くはないのかもしれないが、EU諸国でさえ、それぞれの国境を封鎖したことを考えると“国境”の意味を考察する機会にもなったように思う。どの国にでもあるようなものをわざわざ危険を冒してまで輸入しない・・・。そう考えると日本でしか製造できないモノを製造し、ITを活用した伝達方法でモノの良さを伝え、最終的にモノが動く・・・そういうことになるのだと思う。そのためには、前述したように、わざわざ対面でプレゼンしなくても伝える能力を得ていく必要が出てくるのでは?と。わざわざ日本から輸入する意味のある商品という価値をモノのみならず、その手法と共に考えていかなければ、Withコロナ時代の海外ビジネスは衰退していく気さえしている。「国境を越えてまで需要を生むのは商品だけではない。」そう考える今日この頃。
 上手く伝えられないのだが、“自分の仕事に愛情と情熱を持って対峙する”、ビジネス上でも、企業して組織としてではなく、個々人の人としての真価が問われる時代の到来だ。この波に乗り、次の生き方を模索するのか、過去の時間の中でモンモンとするのか、選択が迫られている。

 

this blog written by T.Kanemaki